JOURNALジャーナル

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問答無用で生地を強制的に縮めるサンフォライズド・・・

We love DENIMMMMMMMMM.

あえて、Mを多用してみました(笑)

今週のBMC JOURNALです。

 

 

今回は、「えっ!?強制的に生地を縮めるサンフォライズドってなに?」です。

*1930年に開発者のサンフォードさんが商標登録したものが【サンフォライズド】っていう、生地の防縮加工技術の呼称です。

 

 


縮むんだよ!デニムって


 

 

サンフォライズド(生地の防縮加工)の前に、みんなが大好きなデニムの欠点に関して・・・・

 

(デニムの欠点)

色落ちする

*縮む

なぜデニムは色落ちするのか?

なぜデニムは色落ちするのか?

 

ややこしい生地なんですよね。デニムって。

でも、デニムって、このデニムの欠点を味として許容する習慣があります(笑)

デニム=ジーンズって、2つに分類されます。(今回は、デニムとジーンズは近似の言葉として下さいね)

*生デニム(リジットデニム)・・・洗い加工(ワンウォッシュやユーズド加工)が施されてない糊がついたままのデニム

*ウォッシュドデニム・・・洗い加工(ワンウォッシュやユーズド加工)を施しているデニム

 

ウォッシュドデニム(ウォッシュドジーンズ)は、一般的に流通しているものです。これは、生地段階・製品段階で縮めてるので安心して着用できるものです。生デニムは、防縮加工あり・なしの2種類があり、デニムマニアが味で愛でるものです。

この生デニムって、水に通して乾かすと・・・なんということでしょ〜というくらい縮みます。縮みの大きさは【 防縮加工あり〈  防縮加工なし 】になります。

 

なぜデニムは縮むのか?

それはね・・・・・・デニム生地(織物生地)って、織り上げる工程まで糸にテンションがかかっていて必要以上にピーン引っ張られています。水に通すと、そのテンションがなくなり、糸本来のリラックス状態に戻ります。この落差がデニム生地の縮みなんです。

ゴムを引っ張った状態で固めたのが、織り上げるまでの行程です。その引っ張りを止めて、もとの状態のゴムに戻ったのが、水を通した後です。

 

生デニムは、洗い加工を施してない状態(水を通してない状態)です。だから、縮みます!!!!

 

 


縮むと大変じゃね・・・だったら縮めちゃえよ!


 

 

この BMC JOURNAL で何度かお伝えしてますが、ジーンズが流通し始めた頃は、生デニムしかありませんでした。

生デニムは縮みます。

ジーンズを買って、家庭洗濯したら、デニムが縮んで着用感が小さくなり、クレームという時代がありました。当然ですよね・・・(汗)

当時のデニム関係者は、みんなこう思いました・・・・

当時のジーンズメーカー:「現代みたいな製品に洗い加工を施す技術なんかないしさぁ。生地段階で縮みを軽減したいんだよね〜。」

当時の生地メーカー:「そうか〜。だったら、生地の段階で強制的に生地を縮めてみる?」

当時のデニムメーカー:「えっ!そんな事ができたら、クレーム減るじゃん!格好いいフィットを出せんじゃねぇ!」

という遣り取りが有ったか無かったかは置いといて・・・・・サンフォードさんが生地の防縮加工技術(装置)を開発しちゃいました(笑)

 

サンフォライズドが確立されてから、強制的に縮めた生地を使用したジーンズなどは、このサンフォライズドが一つの販促になりました。(この話は、後ほど出てきます)

ジーンズブランドのネームに SANFORIZED って入ったの見た事ありませんか?

この SANFORIZED が記載されているデニムは、従来の生デニムより縮みが軽減されています(全く縮まないというわけではありません)。

 

 


どうやって、生地を強制的に縮めるの?


 

 

これ、疑問に思いますよね?

筆者も新卒でジーンズ業界に入って、実際にデニム工場でサンフォライズド工程を見るまで、生地の縮め方が想像もできませんでした・・・

 

デニムは、織物です。

【織り】なのか?【編み】なのか?

【織り】なのか?【編み】なのか?

(合わせて読みたいBMC JOURNAL:https://www.bmc-tokyo.com/journal/614/ )

 

織物は、経糸と緯糸で構成されます。

ここがミソです!

 

ピンと張られた経糸と緯糸を、一時期だけリラックス状態に戻して、ギュッギュッと外的圧力により糸を組織を押し込んで行ってるんですよ!!!!

 

こんな設備でね・・・

(写真参照元:小松原 http://www.komatsubara-iw.jp/seni_01.html )

 

サンフォライズドの工程を図解にしたものがこれです・・・

(写真参照元:小松原 http://www.komatsubara-iw.jp/seni_01.html )

 

図の左から織り上げられた生地がサンフォライズド設備に入っていきます。

クネクネしてるところは、水蒸気コーナーです。ここで一時的に生地をリラックスしてあげます(水を通す工程)。

最後にある大きな円と小さな円のコーナーが、強制的に生地を縮めるところになります。

 

(写真参照元:小松原 http://www.komatsubara-iw.jp/seni_01.html )

 

物理を理解してると、図を見ただけで強制的に縮める論理がわかると思います。

大きな円。小さな円。

それぞれ外周が異なります。

大きな円は熱を持ちながら一定の速度で回転。小さな円は大きな円にぶつかるように回転。

それぞれ回転速度が異なります。

その円の間にラバーマット(ゴム)があります。

円の外周の異なり、回転速度の違いにより、このラバーマットは、部分的に表面密度が大きくなったり(縮む)、小さくなったり(広がる)します。

このラバーマットに沿って生地を投入して行くので、強制的に経糸・緯糸が動き、生地の糸密度が変化していきます。

これが、生地の強制的な縮めの仕組みです。

 

わかるようで、わからないですよね?

なんとなく感覚的に捉えて下さい(笑)

 

 


SANFORIZE は販促になっていた!!


 

 

サンフォードさんのお陰で、生デニムのデメリットであった縮みが軽減できました。

サンフォライズドでフィットを重視した販促を始めたのが・・・・あのLEEです。そして、Wranglerです。

 

(1949年の米国カタログ通販より)

 

LEEは、Sanforized Shrunk…to insure perfect fit と謳っています。

サンフォライズドされたデニムを使用してるから、パーフェクトフィットになるんだよってアピールしています。

 

Wrangler は質実剛健にストレートに Sanforized Denim とだけ謳っています。

 

こう見ると、LEEってプロモーションが上手いというのが歴史的にわかりますね!

 

levisは・・・・この時期は防縮加工を施してないTHE 生デニム を使用してました。後発のジーンズブランドのLEEとWranglerは、市場で戦う為の差別化として、このサンフォライズドデニムを使用したんだと思います。

 

新しい技術は、新しい価値と市場を創造しますね。

 

そして、このサンフォライズド(防縮加工)は、とんでもない副産物を産み落とします!!!!!

 

ボタンフライしかなかったジーンズに、ジッパーフライという新しい価値を生み出しました!!!!

ボタンフライかジッパーフライか

ボタンフライかジッパーフライか

(合わせて読みたいBMC JOURNAL:https://www.bmc-tokyo.com/journal/27/ )

 

生地の縮みが軽減されたので、ZIP(ファスナー)をジーンズにつけれるようになりました。

この新しいジッパーフライを世に知らしめたのも・・・LEEです(笑)

 

デニムのデメリットである縮みを軽減するというサンフォライズド。

縮みというデメリットを完全に打ち消したのは、半世紀前のジーンズに洗い加工を施すという技術です。

生地を強制的に縮めるという技術は世界遺産クラスだと思います。

でも。

それよりも、サンフォライズドにより、ジーンズにジッパーがついたというこの歴史的偉業は・・・・世界遺産認定だと思います(笑)

 

 

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