JOURNALジャーナル

JOURNAL

糸の色々:空紡糸とリング糸ってナニ?

今回の BMC JOURNAL は、のお話です。

(写真参照元:http://www.houyhnhnm.jp/feature/34583/3/ )

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合わせて読みたい 糸に関しての BMC JOURNAL

織物の【タテ糸】と【ヨコ糸】って漢字で書くと?

糸はSかZで撚られて出来てます。

デニムのロープ染色ってナニ?

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その前に・・・・せっかくジーンズブランドが書く記事ですので、ファッション業界っぽく、軽くファッションの話題を(笑)

 

現在のファッションのトレンドは、80sだったり90sだったりします。今は、90sですね!

ファッションの歴史は繰り返されます。

(写真参照:JAM https://jamtrading.jp/fs/jamtrading/c/90s-style_sp )

(写真参照:JAM https://jamtrading.jp/fs/jamtrading/c/90s-style_sp )

個人的に注目している古着のJAMさんのスタイリング提案は、お見事です!若者へのお手本の古着・ヴィンテージミックスの提案です。

筆者は、今年で40歳です。

90sは、ファッションに目覚めた頃です(笑)こんなスタイリングしてたなぁ〜(笑)自分が通ってきたファッションを流行ってるからって、若者と同じ様には流石にできないですよね・・・・(汗)

若者からすると、パンツの太さや、トップスの大きさや、デニム生地の粗野感なんかが新鮮なんだろうなぁ〜と思います!

デニムの粗野感?

そういえば・・・なんかデニムがいつものと違いません?

古着好きな人なら気付いてるかもしれませんよね?古着のデニムって・・・現在広く流通してるデニムと表情が異なりますよね?

なぜ異なるのか?

実は・・・・・デニムの糸に秘密があるんです!!!!

 

 


大きく糸の紡績は2種類ある


 

 

 

(写真参照元:https://4travel.jp/travelogue/10812191 @旧豊田紡績株式会社本社工場跡 )

糸を紡ぐ工程=紡績工程 において、みんな知ってる糸が出来上がります。生地は糸を織り上げたり、編み上げたりした布ですよね。紡績工程で出来た糸を使用して生地メーカーさんで生地が出来上がります。

繊維業界は、この糸なくして成り立ちません!

その糸ですが、大きく分けて2種類の紡績から出来上がるのをご存知でした?

糸といっても、〇〇糸。△△糸。っていうものがあります。さぁ!なんでしょう???わかるかな〜?????

 

【2種の紡績】

*リング糸(=リングスパン糸)

*空紡糸(=オープンエンド糸=OE糸)

 

 

リング糸は、イメージできる糸だと思います。

空紡糸(=オープンエンド糸)は、リング糸と比較すると太いし、粗野感ありません?

 

糸の紡ぎ方により、リング糸と空紡糸が出来上がります。

両者の違いは何なのか?

 

↓↓↓それぞれの糸を比較した特徴はコチラです↓↓↓

 

【リング糸】

*糸の繊維が均一

*糸全体に均一の撚りがかかっている

*糸に締まりがある

*強力(強さ)が高い

*太い糸も細い糸も存在する

*紡績効率が高くない(=コストが高い)

 

【空紡糸】

*糸の繊維が不均一

*糸の外側に強い撚りがかかっているが、内側には撚りがかかってない

*糸に膨らみがある

*強力が高くない

*太い糸しか存在しない

*紡績効率が高い(=コストが安い)

 

同じ綿から出来る、それぞれの糸の特徴は、何に起因するのか!?

 

 


リング精紡機と空気精紡機


 

 

 

糸の特徴は、ズバリ!紡績する機会によって異なります!

 

*リング糸=リング精紡機によって紡績される

*空紡糸(オープンエンド糸)=空気精紡機によって紡績される

 

本当なら、各紡績機のアップ写真を掲載できれば、視覚的に紡績の違いを説明できるんですが・・・・各紡績メーカーさん独自ノウハウなので掲載する事が出来ません(涙)よって、言葉で説明しますね!

 

まず、糸の赤ちゃんである粗糸があります(綿花の繊維を取り出して、スライバーにして、粗糸にしてから、糸にするドラフト工程の話は、また今度〜)。

 

【リング精紡機】

紡績機械にある高速回転する輪(リング)状になった部分を粗糸が通過して、機械的に均一の撚りをかけて糸にする。

(参考までに:https://kotobank.jp/word/リング精紡機-150303 )

 

【空気精紡機】

粗糸の繊維の束を一度バラバラにして、空気の噴射によって再び繊維を引き揃えて撚りをかけて糸にする。繊維の束が一旦バラバラになるので、オープンエンド(端が繋がってない状態がある)と言われている。

(参考までにに:https://kotobank.jp/word/空気精紡機-54852 )

 

それぞれの糸を図にすると更にイメージしやすいですよ。

リング糸は、上述にもある様に糸全体に均一の撚りがあります。空紡糸(オープンエンド糸)は、外側だけ撚りがあって、中は撚りがかかっていません。これは、空気の噴射(空気の風圧)だけで糸を撚るって・・・大胆ですね(苦笑)この空紡糸は、欧米では主流の紡績です。日本では、歴史的にリング紡績が主流なんです。

 

 


リング糸と空紡糸のデニムって、違いがあるの?


 

 

おさらいです。

 

【リング糸】

(特徴)

*糸の繊維が均一

*糸全体に均一の撚りがかかっている

*糸に締まりがある

*強力(強さ)が高い

*太い糸も細い糸も存在する

*紡績効率が低い(=コストが高い)

(紡績)

*リング精紡機

(主流地域)

*日本

 

【空紡糸】

(特徴)

*糸の繊維が不均一

*糸の外側に強い撚りがかかっているが、内側には撚りがかかってない

*糸に膨らみがある

*強力が低い

*太い糸しか存在しない

*紡績効率が高い(=コストが安い)

(紡績)

*空気精紡機

(主流地域)

*欧米

 

それぞれの糸で織られたデニムって見たことありますか?

普段、全く気にしてないだけで・・・「リング糸のデニム」や「空紡糸のデニム」が世の中にはたくさんあります。

それぞれの違いは、見た目で判断できます!

見ただけで分かれば、あなたもデニムのプロです(笑)

 

「リング糸のデニム」と「空紡糸のデニム」を写真を見ながら、特徴を記しますね!

 

*「リング糸のデニム」

(写真参照元:http://auction2hand.uamulet.com/AuctionGoodsDetail.aspx?qid=77991 )

 

糸の繊維が均一で、撚りも均一なリング糸は、糸として締まりがあります。その糸を使って、デニム生地を作るとシャープな表情になります。

一般的に多く流通しているデニムは、このリング糸のデニムです。

洗い加工やユーズド加工を入れると、糸1本ごとに白く色落ちして、ブルーと白のコントラストが鮮明です。合わせて、インディゴの濃淡のコントラストも鮮明です。糸1本1本の表情までわかるデニムの表情になります。

デニムのシャープな表情と、コントラストの鮮明さが特徴です!

ジャパンデニム=リング糸のデニムと言っても過言ではありません。

ちなみに、穿き心地は、サラッとしています。これは糸の締まりによるものです。

 

 

*「空紡糸のデニム」

(写真参照元:http://young-iryoten.com/?pid=123272861 )

 

糸の繊維の不均一さ、撚りが外側にしかかかっていない空紡糸は、糸として粗野感があります。その糸を使って、デニム生地を作ると、ザックリとした表情になり、合わせて、粗野な表情になります。これは、空気精紡機の特徴として、ある一定の太さの糸しかできない(細い糸はできない)という事も要因です。

欧米のデニムや、古着で見かけるデニムは、この空紡糸のデニムです。

洗い加工やユーズド加工を入れると、空紡糸の締まりの悪さから繊維の毛羽が表に飛び出してきて、色落ちがボンヤリ見えます。合わせて、細かいヒビ割れの様な白く立体的な表情にもなります。これがジーンズ業界人用語で『シボシボ』『シボ感』と言います(写真の様なデニムの表情)。

デニムの粗野な表情と、色のボヤッ(シボ感)と感が特徴です!

一概には言えませんが・・・古着のジーンズやレプリカジーンズ=空紡糸のデニムと言ってまず間違いないです。

ちなみに、穿き心地は、膨らみがあって柔らかいです。これは糸の特徴によるものです。

 

リング糸のデニム。空紡糸のデニム。

明確な違いは、デニムの表情です。

なんとなく、理解できますか?

パッと、ジーンズを見て・・・・『それ、リング糸のデニムだろ?』って友達に言ってやって下さい(笑)あなたもジーンズのプロの仲間入りです!

 

 


最近、空紡糸の進化が凄まじい!


 

 

90sファッション。

着用しているデニムは・・・空紡糸のデニムです。

見ただけで分かりますよね?

 

ファッションの流れもあり、空紡糸のデニムに注目が当たっています。

注目が当たると、更なる技術進化も起こります。

粗野な表情を得るには、空紡糸が必要です。しかしながら、空紡糸はリング糸と比較すると様々なデメリットがあります。

現在、今まで存在しなかった細い空紡糸があったり、繊維の組み合わせの工夫により強力が改善されたり、世界的なトレンドに合致して進化しています。

 

日本のジーンズ業界にいると・・・空紡糸のデニムは安物。粗野。とリング糸のデニムと比較すると格下に見てしまう傾向があります。企画者としてはダメですよね・・・・。マーケットの要望に応じて、空紡糸もリング糸も適時選択していかないといけません!

 

なぜなら!

昔通ったファッションが、今のトレンドだから〜!

オジサン、この流れについて行きます(笑)

 

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