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何故、今「ビジカジ」なのか?

ファッション業界でよく上がってくるお話の中に、「スーツの需要問題」があります。これは図を見てもらった方が早いでしょうか。

 

25年間で「7割減!?」紳士服業界の市場規模、しかし大手4社の業績が堅調である謎?

 

グラフを見れば一目瞭然なのですが、スーツ需要は1990年代前半から、右肩下がりで落ちています。電車に乗っていても、これだけスーツ姿の会社員を目にするのに不思議なものですね。ファッション業界にいると、そもそもスーツを着る人の方が少ないでしょうから、無頓着になりがちです。では何故、このような事態になっているのでしょうか?

 

①団塊世代の定年退職

まず挙げられるのはスーツを最も消費していたと思われる世代の引退。特に団塊の世代と言われる人たちの数が多く、ここも影響していると推測されます。団塊の世代とは、1947年~1949年に生まれた世代のことを指しますが、上記のグラフを見てみますと、その世代が引退するであろう(2007年くらい。雇用を延長しても10年で2017年が最長。)時期より少し前から、急激に下降しております。65歳以上の人口は平成29年の時点で27.7%であり、スーツを着用していた人たちの多くが、引退して着用しなくなった事がここからもわかります。

 

②スーツスタイルがカジュアル化している?

もう一点、よく挙げられる議論としてはクールビズに端を発した「スーツのカジュアル化」でしょうか。これでまずはネクタイの需要が減少しています。

 

【ネクタイ製造業】業界動向/マーケティング情報

国が推進したという事もあり、メガバンクなどでも取り入れられたのは影響として大きかったんではないでしょうか。また、2011年の東日本大震災がそれに拍車をかけました。それ以前から、環境省は冷暖房の設定温度を推奨したりしていましたが、これにより、夏は暑く、冬は寒い状態に。クールビズ、ウォームビズでカジュアル化が進んだと思われます。

 

需要低下に伴う事業の多角化

こういった事態に伴い、スーツ事業をメインにしていた各社は事業の多角化を推進。カジュアルブランドを取り扱ったり、スーツのオーダー事業をスタートしたりしています。が、カジュアルブランドの運営はあまりにも畑違いだからなのか、うまくいっている事例を見かけません。

【参考事例】

はるやまHDが子会社テット・オムを売却

青山商事が「アメリカンイーグル」事業から撤退へ

 

また、スーツのオーダー事業は伸びている!という風に言われていますが、低価格でパターンオーダーのスーツが作れるようになった

事で既存のスーツを着る層が勝っているだけにすぎませんので、新たに需要を創出したとは言えず、また金額的にもスーツ市場の落ち込みをカバーするほどの大きさもありません。

 

スーツも「ワーク」用の衣料品

こういった市場環境の中、BMCがビジネスカジュアル、所謂「ビジカジ」に参入しているのは、スーツとカジュアルの境目が無くなってきたという事実と、スーツにも機能性が求められ出しているという空気、そしてスーツも「ワーク」用の衣料品であるという事に他なりません。

 

世界初?スーツ型作業着「ワークウェアスーツ」発売

こういった事例はわかりやすいですね。BMCでも先シーズン、クラウドファンディングでビジカジアイテムを投入。見事、サクセスし、その後人気アイテムとなっています。

 

拝啓 ビジネスマン 空気の力で『涼しい』を体感する【空冷式スーツ】はじめました!

機能性が高く、低価格。セットアップだからコーディネートも簡単で、ビジネスマンでも普段着でも着用できる点も人気の理由です。たった数十年の経緯を見ても、時代の変化によって着用する衣料品は日々変化しています。働き方改革、リモートワーク、副業OKなど、私たちを取り巻く労働環境が日々変化する中、BMCが「ワーク」という要素を上手く捉え、新しい提案をしてくれる事に今後も注目していきたいですね。

 

 

ライター:深地雅也

株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。

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