JOURNALジャーナル

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ジーンズがバイク着として最適な理由

ジーンズの原点は、アメリカの炭鉱夫向けの作業着だということは広く知られています。これを開発したのがリーバイスです。

そこから多くのジーンズブランドが生まれて今に至ります。

そのアメリカでリーバイスと並んで歴史あるジーンズブランドとされているのが「リー」です。10年くらい前から日本ではレディースでの人気が高まって再ブレイクしました。

「リー」もアメリカでは作業服向けとしてリーバイスよりも後発で開発されましたが、有名になったのは作業服向けジーンズではありませんでした。リーが有名になったのはカウボーイ向けのジーンズでした。

 

カウボーイ向けのジーンズが存在したワケ

リーがカウボーイ向けのジーンズ「101」を発売し始めたのは1924年のことだったとされています。

今のジーンズ好きからすると「リー」はカウボーイとかウェスタンのイメージが強いと思いますが、その原点はこの1924年の101の発売にあったといえます。

カウボーイといえば、ジーンズとそれと同じ生地、色のGジャンのセットアップが定番スタイルの一つではないかと思いますが、セットアップには2つの要素があるのではないかと個人的には考えています。

1つは、作業服、戦闘服などのミリタリー、ワークのイメージ

もう1つは、スーツ的なビジネス、ドレッシーなイメージ

です。当然、テイラード型かそれに近い感じでなければ、ドレッシーさは出ませんが、その昔、カウボーイが礼装にもGジャンとファイブポケットのセットアップを着用したといわれるのは、そういう背景もあったのではないかでしょうか。

 

ジーンズの特性は「rider」に向いている

馬に乗ったカウボーイの姿は非常にかっこいいですが、現代日本において、そのシーンを再現するのはちょっと厳しいものがあります。そもそも馬を飼うこと自体が広い土地も必要ですし、手間暇もかかります。また現代日本の一般道路を乗馬で移動するのもなかなか難しいものがあります。

現代日本において、実現可能なのは、バイクに乗ることではないかと思います。英語だとバイクに乗る人も馬に乗る人も両方とも「rider」です。

 

BMCの青野社長が最近、中型自動二輪の免許を取得して、バイク生活を開始しました。実は、この原稿を書いている私も28年前に中型自動二輪の免許を取ったのですが、一度も乗ったことがないペーパーriderです。理由は、教習所で400CCを練習で乗っているとき、すごく怖かったので、講習を申し込んだこと自体を後悔したほどでした。しかし、お金がもったいないので、何とか最後までがんばりましたが、バイクに乗りたいとは二度と思わなくなったというわけです。(笑)

そんなわけで、自分がバイクに乗ることは永遠にないのですが(笑)、BMCの新しいシリーズとして、バイク用のセットアップには期待しています。

教習所に通われた方はご存知でしょうが、バイクに乗る際はできるだけ頑丈な長袖・長ズボンを着用することが好ましいと最初に教えられます。また靴もスニーカーよりは頑丈なブーツをお勧めされます。

ですから、最も好ましいのは本革レザーの上下セットアップということになるのですが、バイクを降りてから活動や仕事、買い物をすることを考えると、本革レザーの上下セットアップはちょっとファッション的にどうかと思ってしまいます。また真夏だと噴き出る汗も吸収してくれません。

そう考えると、本革でなく、厚手生地のセットアップが次善だといえます。厚手生地の代表する1つといえばデニムです。デニムのセットアップの方が本革上下よりはバイクを降りたあとの日常生活シーンにも馴染んでくれます。

実際に、バイカーに愛用されているヘビーオンスデニムウェアのブランドも存在します。

そして、最近はストレッチ混デニム生地が普及していますから、それを使えば動きやすさも確保されます。

 

ワーキングウェアとして成長したBMCが新たな販路として選んだのが、バイクシーンです。BMCが提案するストレッチデニム生地を使用したバイクウェアの展開をぜひともお楽しみください。

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ライター:南 充浩(みなみ みつひろ)

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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